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文章中の英数字の表記は、半角が正しい?

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こんにちは。ディレクターの小林です。
WEBディレクターに向けた、校閲・校正シリーズ14回目。
今回は「文章中における英数字の表記ルールについて」です。

先日、
「こばやしさーーんっ! 悩みすぎてわからなくなっちゃいました!
 数字は半角が正しいですか!? 全角が正しいですか?
 印刷物なら半角だけど…Webはどっちでしたっけ!?」と、若いデザイナーに助けを求められました。

印刷業界のデザイナーは、「英数字は半角」を叩き込まれています。
先輩から基礎をきちんと教えてもらったデザイナーであれば、当然のごとく半角一択です!
編集者から回ってきた原稿に、全角の英数字なんてあったら、もうそれは「誤字」レベル。
紙面デザインしながら「しっかりしてよ!」と担当編集者に毒づきたくなるぐらいの…。

しかし、Webの原稿は社内のあちこちから集められた資料を元に編成されていることが多く、
プロのライターが介入していないために、全角文字・半角文字を意識されていないことがほとんどです。

で、そんな背景をふまえた上で、
全角半角入り混じった状態の元原稿を受け取ったときには、どうしたらいいのか?
「WEBサイトにおける英数字の表記は、半角文字か? 全角文字か?」
英数字の表記ルールを考えたいと思います。

各社ごとに表記ルールは異なりますが、英数字の表記に限定すると
  ①英数字は、すべて半角文字とする。
  ②英数字は、基本は半角文字とする。
   ただし、1文字(1やAなど)で使用する場合は、読みやすさを考慮して全角文字を使用する。
の2パターンだと思います。

ルールが定められている会社のサイトを作る場合は、そのルールに則ればいいので話は簡単です。
では、ルールがない会社で、しかも原稿制作まで請け負ている場合は、どちらを選択したらいいのか?
長くなるので、先に自分の結論を書きます。
「英数字は、すべて半角文字とする」をルールにするのが、
歴史的背景や現在の状況などからみるとベストではないかと思います。
ということで、以下は長くなりますが、上記の結論に至った理由。

■歴史的背景から考えてみる(1)
そもそも、最初は1バイト(半角)の英数字文字しかなかったところに、
日本語OSが登場して、膨大なひらがなと漢字を扱うために2バイト文字が登場。
つまり、2バイトの英数字はあとから作れており、
本来1バイトのASCIIの英数字があれば事足りたわけで…。
ちょっと、2バイトの英数字は邪道な気持ちになりますよね。

■歴史的背景から考えて見る(2)
さらに、日本語の2バイトの文字は、一本化されておらず、JIS、Shift-JIS、EUC-JPとあり、
昔は、これが文字化けの原因になっていました。
特に、メールのsubjectの文字化けは酷かった…。
少しでも文字化けの要因を減らしたい、そんな心理的背景もあり「英数字は半角」が昔の常識でした。

■歴史的背景から考えて見る(3)
容量的な問題で…720KBのフロッピーで、原稿の授受をしていた時代には、
たとえ1バイトといえども節約するのが当たり前だったので…。
今となっては、あんな容量のフロッピーで
原稿どころかロゴデータなどのデザインデータのやり取りまで出来ていたのが信じられない…!

───と、歴史的な観点だけでみると、半角数字にこだわるのは
今では、もうただの慣例でしかないのかもしれない。
今はUnicodeだし、文字化けしなくなったものね。
けれど、40代以上の人たちなら、未だ「当時の常識」はしっかり刷り込まれているのではないでしょうか。
上司が「英数字は半角にするものだ」といったら、素直に頷いておきましょう。

■デザイナーの視点で考えてみる
英数字は、和文フォントよりも、欧文フォントの方がフォルムが洗礼されていて美しい。
日本語書体の英数字(=全角英数字)は、無理やり正方形に納めたフォルムで、かっこ悪いです…。
なので、タイトル画像作りなどで書体指定をする際には、「欧文書体に変換できない2バイトの全角英数字」は異物であり、デザイナーが打ち直しすることになります。
(=校正FIX後のデザイナーによる文字打ちは危険です。原稿の時点でディレクターが潰しておくのがベスト!)

■仕事の効率化という点で考えてみる
全角の英数字混じりで原稿を作ろうとすると、キー入力のスピードが落ちますよね。

■アクセシビリティの視点で考えてみる(1)
1文字だけで使用する場合に、読みやすさを考慮して全角数字を使うという考え方は、ユーザーに配慮した点はいいと思うのです。対処療法的でスマートな解決法ではありませんが。
…しかし、なんで1文字も英数字が読みにくいかというと、WindowsのIEのデフォルトフォントが、「MSゴシックP」で、プロポーショナルフォントだから…。
等幅フォントを指定すれば、1桁の英数字を全角にしなくても、問題解決です!

■アクセシビリティの視点で考えてみる(2)
音声ブラウザを考慮すると、英単語を大文字で記載するのはNGですね。単語として読み上げてもらえません。

…と、ぐだぐだと書きましたが、先に述べたように
「クライアントから特別に要望がない限り、英数字はすべて半角文字」でいいという結論です。

余談ですが、先日、長いこと某サイトの運用担当をされていた方と、「Webディレクターなら 1 と 1 は、数字のフォルムを見て半角・全角の判断できて当然だよね!」という話で盛り上がりました。
お仲間とマニアックな話で盛り上がるのは楽しいです~。
最近文字校正をしていて気になるのは、「?!」と「!?」が混在していることです。
使い分けされている場合は尊重しますが、そうでない場合は「!?」で統一していまします。
他に「こんなものもあるよね!」というものがあれば、是非メールで送ってください~!

では、また~★