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語彙の増やし方:その2―先人の知の宝庫「ことわざ」

 

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こんにちは。ディレクターの小林です。
さて、WEBディレクターに向けた、校閲・校正シリーズ11回目…今回も「語彙の増やし方 実践編」です。

語彙がなければ・正しい言葉を知らなければ、校閲も校正もできない! ということで、
前々回から実践編を書いていますが、慣用句はちょっと心労が強かった…。
今回は、かるい内容です。

実家に帰省した際、姪が持ってきたおもちゃの中に「ビジュアルかるた 有毒危険生物」がありました。
面白いな~と思いながら一緒に遊び始めたのですが…、
個人的な感想としては、ちょっと残念に思うところが…。
たとえば、「い」の札は、「移動する 速さもこわい ブラックマンバ」なのですが、
ここは、頑張ってイロハ分の生物の名前を集め、
「ふ」の札で「ブラックマンバは 移動する 速さもこわい」として欲しかったな~。
その方が、生物のビジュアルと名前が一致して覚えやすくなったのに。

子どもの頃、お正月は従兄弟が大勢集まったので
トランプ、かるた、百人一首で遊ぶことが多かったです。
かるたは、もう、絵柄と色合いを覚えてしまっていて、右上に書かれている
イロハの文字ではなく、絵柄や色などの雰囲気で探し当ててました。

「犬棒かるたなら、全部覚えてる!」といえるほど遊んでいたのですが…。
先日、この「犬棒かるた」が全国区じゃないことを、初めて知りました……!!!
「犬棒かるた = 江戸かるた」なのだそうです。
「い」といえば、「犬も歩けば棒にあたる」が定番だと思っていたのですが、
京都のかるたでは「い:一寸先は闇」、大阪のかるたでは「い:一を聞いて十を知る」が定番のようです。

商品ごとに、多少ことわざのセレクトに違いがあると思いますが、
手元の「三省堂 故事ことわざ・慣用句辞典」で江戸・京都・大阪のことわざを見比べてみたところ、
江戸と京都では、被っているものは「つ:月夜に釜を抜かれる」1つだけ
江戸と大阪では、「は:花よりだんご」「ぬ:盗人の昼寝」「ゆ:油断大敵」「め:目の上の瘤」4つだけ
京都と大阪では、距離が近いせいか、8つ被っていました。

「犬棒かるた」だけでことわざ教育をされてきた関東っ子としては、
京都と大阪のかるたの札は、ちょっと衝撃でした。
「犬棒かるた」でセレクトされていないだけで、知っていることわざももちろんありました。
江戸かるたの「え:得手に帆を揚ぐ」より、
京都の「え:縁の下の力持ち」の方が知名度が高いと思います…。
でも、大阪の「え:閻魔の色事」なんてことわざ、はじめて知りましたよ…!!!
江戸の「ち:塵も積もれば山となる」に対し、京都と大阪は「ち:地獄の沙汰も金次第」
子どもの教育という観点からみると、このセレクトは不味いのでは!?(笑)

一度もきいたことがないことわざもたくさんありました。
もちろん、そのことわざの意味も分からず、の状態。
恥ずかしながら、京都のかるたで知らないものは21。大阪のかるたでは23。
半分近く知りませんでした。
(▼「三省堂 故事ことわざ・慣用句辞典」とは細部が少し異なりますが参考に)
Wikipedia:かるた

「よ:夜目遠目笠の内」「お:鬼も十八」「け:下駄と焼き味噌」「し:吝ん坊の柿の種」とか…
京都や大阪出身の方からすると、「知っていて当たり前」なことわざなのでしょうか?

ことわざは、先人たちの知識と、達観と、人の世の理と…そんなもので出来上がったものです。
知っているのと知らないのとでは、世を渡る際の気の持ちように差がでるだろうな、と思います。
と、いうことで、次回の帰省の際には犬棒かるたを持参して、姪っ子と遊びます。

箱の犬は、昔の少女漫画的な犬のイラストなのに、中のかるたの犬の絵は全然違う。なぜ?

箱の犬は、昔の少女漫画的な犬のイラストなのに、中のかるたの犬の絵は全然違う(笑)

私が遊んでいた犬棒かるたは、昭和30年代からのロングセラーで、今でも売っていました。
奥野かるた店 犬棒かるた
店舗は神田にあり、会社からも近い!

ところで…前半に『「犬棒かるたなら、全部覚えてる!」といえるほど遊んでいた』と書きましたが、この記事を書くにあたり、事前に、全部覚えているか書き出してみました。

結果…書けなかったのは「を」「れ」「つ」「ゐ」「ゆ」「み」「し」「ゑ」「す」9つ!!!
かなり、くやしぃ~!

江戸かるた1種だけだと大人には簡単すぎるけど、
江戸・京都・大阪を全部まぜたらハードルが上がりますよね。
「い」の札でも、「犬も歩けば~」が読まれたのに「一寸先は闇」の絵札をとった場合お手つきになれば、
ハードルが高くなって楽しそう♪ たくさんことわざも覚えられるし。
みなさんも、お試しあれ~。